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演繹定理 - ミュー

2022/08/05 (Fri) 22:32:34

『論理学入門』(NHKブックス)のp.50に「演繹定理が重要なのは、意味論と語用論を興味深い仕方でつなぐテクニックだからだ。」と書かれています。演繹定理につての解説において、語用論へ言及するというのは、私はこの本でしか知りません。他書でこういった説明をしているものは、あるのでしょうか?

Re: 演繹定理 φ

2022/08/07 (Sun) 02:24:28

 演繹定理に限らず、メタ論理の色合いを持つ定理については、意味論と語用論の接点(語用論と意味論の相互投影)という理解はごく自然だと思います。他書で論じられないとしたら、そもそも論理学書が語用論をほとんど扱わないせいでしょう。
 ただ、永井成男、和田和行、そのあたりの系統は語用論を丁寧に論じていたと思います(いま出張先なので記憶で書いてますが)。
 また、いま、"deduction theorem" "pragmatics"で検索してみたところ、いくつか論文が出てきました。ファン・フラーセンの“A Landscape of Logics beyond the Deduction Theorem(and Moore's Paradox)”などはいかがでしょう。参考になるのではないでしょうか。

Re: 演繹定理 - ミュー

2022/08/10 (Wed) 06:02:14

 文献のご教示、ありがとうございます。永井と和田の2冊の共著『哲学的論理学:基礎と研究』北樹出版(1997)と『記号論:その論理と哲学』北樹出版(1989)を図書館で借りました。
 なお、『論理学入門』p.98-99で述べられている「量化文において、論議領域の制限という意味論的前提をメタ言語レベルから言語レベルへと前景化すること、つまり制限の明示が、却って論議領域についての意味論的前提を取り払うこと」と演繹定理との類似性の指摘も興味深く感じます。

Re: 演繹定理 φ

2022/08/11 (Thu) 03:42:48

 言語レベルの変換としては、クワインの「永久文」などにも同じ発想が見られますね。
 なお、語用論といえばなんといっても日常言語学派、とりわけ言語行為論ですが、形式的語用論としてはカルナップでしょう。永井成男は日本で数少ないカルナップ主義者でしたが、カルナップ系統と言ってよいか、J.ヒンティッカ著、永井・内田訳『認識と信念』は、命題態度を形式化した名著で、語用論と意味論・構文論をつなぐ発想のうえで学部生時代大いにお世話になりました。

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